Chapter 4:

エントリー #4

ティリオンの日記


(紀元前989年2月7日)

今日、私は自分の周りに5本の蝋燭を置き、サクリサ、トラクリサ、マルクリサ、ジョラルクリサという言葉を3度唱えた。すると床でもがき苦しむうちに、体内の痛みがますます激しくなったが、家族に聞かれるのを避けたくて叫び声を上げなかった。痛みが薄れるにつれ、青ざめていた肌は赤みを帯び、体は膨張し、衣服は消え去り、爪と歯と髪が伸びた。ついに私は吸血鬼となった。床に死装束が形成されていたので、それを拾い上げて身にまとった。息を吐くと、声は今や荒く乾いた深いものになっていた。私は部屋を出た。家族のもとへ向かうと、彼らは恐怖に満ちた目で私を見つめていた。それでいい。彼らは今や私が神であることを知ったのだ。しかしその時、私の中の飢えが膨れ上がり始めた。彼らの血と肉の匂いは実に陶酔的で、私はそれを実行した。私は彼らの肉を喰らい、血を飲み干した。それは私に力をもたらした、かつてないほどの力を。今、もっと欲している。私は。全てを。欲している。

ADNAN-1998
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