Chapter 0:

ワールド・マーシャルアート・トーナメント

World Marla tournament


ワールドマーシャルアート
第一巻 第一章 ページ1
この世界は、ただの武術の世界ではない。人々は己の拳を磨き、肉体を鍛え、精神を極めることで、“獣の力”――伝説のビーストスピリットを宿すことができる。
龍の魂を纏う者。虎の牙を持つ者。そして、神々に選ばれし者さえ存在すると言われている。
かつて、この大地を破滅へと導くほどの“邪悪なる竜”が現れた。その暴走を止めるために、多くの命が犠牲となり、一人の偉大な戦士が、自らの命を懸けて竜を封印した。
――それから百年。平和は訪れたかに見えた。だが、その封印は今、静かに揺らぎ始めている。
闇の中で、誰かが呟く。「……そろそろだ。目を覚ませ――龍。」
封印が解かれようとしていた。そして、新たな戦いの幕が上がる――。Volume 1 – Chapter 1 – Page 2 (Light Novel Style, Japanese)

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Page 2
ネパールの険しい山々の奥深く、冷たい風が岩肌をなでる。その静寂を破るように、低くうなる声が大地の奥から響いた。
「……封印……破る……」
岩の裂け目から、まるで地獄の息吹のような黒い霧が立ち上る。封印された龍の魂が、何百年もの眠りから目覚めかけていた。
一方、その頃──。
山脈のふもと、小さな村の訓練場。少年の拳が、ひび割れた岩を何度も叩き続ける音が響いていた。
「……まだだ! こんなんじゃ、父さんには届かない!」
少年の名はレオ。幼いころから、父のような最強の武術家を目指し、ひたすら鍛錬を続けてきた。だが、その運命が大きく変わろうとしていることを、彼はまだ知らない。
空には、不吉な雷雲が集まり始めていた。運命の歯車が、静かに回り出す。
第1巻 – 第1章 – 3ページ
村は静まり返っていた。いや、静かすぎた。柔らかな風が畑を撫で、土と野花の匂いを運んでくる。農夫たちはすでに家路につき、その影は山の向こうに沈む夕陽とともに消えていった。
レオは古びた木の柵に腰を下ろし、膝の上にククリ刀を置いていた。刃に映る夕焼けの光が微かにきらめき、父の言葉を思い出させる。
「武器は力じゃない。それを握る心こそが、真の強さだ。」
今、その言葉はいつになく重く感じられた。
視線を遠くの山脈へと向ける。そこには、朽ち果てた寺院の遺跡がある。古く、静かで、不気味なほどに沈黙していた。そこには、災厄から生まれた精霊――かつて王国を炎で焼き尽くした龍が眠っていると、代々語り継がれてきた。
レオは拳を強く握った。昔はただの昔話に過ぎなかった。だが今、その一つ一つの囁きが警告に聞こえる。
なぜだ……なぜこんなにも胸がざわつく?
空が群青に染まりはじめたその時、山からかすかな音が響いた。風でもない。雷でもない。それは、もっと深い――まるで大地そのものが苦悶の声を上げているような音。
レオの胸が締めつけられる。理由はわからない。ただ、一つだけ確信できたことがある。
――何かが、目を覚ました。
そして誰かが……封印を破ったのだ。
Page 4地面が再び揺れた──今度はさらに強く、まるで何か古きものが永遠の眠りから目覚めようとしているかのようだった。レオの父は腰に差した古びたククリ刀を握りしめ、その鋭い眼差しを霧に覆われた山へと向けた。
「封印が……」低くつぶやく声に、背筋を冷たいものが走る。
遠く、孤高の崖の上に、一人の影が立っていた。その身を黒い外套で包み、顔は神々の紋様を刻んだ仮面で覆われている。男の両手は奇妙なリズムで動き、決して人が口にすべきではない言葉を紡いでいた。
「怒りと永遠の深淵より……目覚めよ」仮面の男の声は、力に震えていた。
突如、空が割れるような轟音が響き渡った。山の頂が爆ぜ、天を揺るがす咆哮が放たれる。嵐雲の向こうに、巨大な影が姿を現した──その翼が悪夢のごとく広がっていく。
龍が目覚めた。

そして、運命の最初の糸が引かれたのだった。Page 5天を震わせる轟音が響き渡った。岩の欠片と土煙が空を覆い、封印を破った巨体が姿を現す。漆黒の炎のように輝く鱗、飢えた黄金の瞳──それは、龍だった。
「……まさか、こんなことになるとは……」父は奥歯を噛みしめ、ククリ刀を強く握りしめた。その声は、怒りと恐怖で震えていた。
高みから、仮面の男が両腕を広げ、狂気に満ちた笑いを放つ。「見よ、人の子らよ! 神の時代はここで終わる。憤怒の獣が、世界を喰らい尽くすのだ!」
龍がゆっくりと首を動かす──その視線の先には、山麓の村。
巨大な翼が一度はためくと、暴風が谷を襲い、木々を引き抜き、岩を粉砕した。レオはとっさに腕で顔を覆い、吹き荒れる風に抗いながら立っていた。胸の奥で、戦鼓のように心臓が鳴り響く。
あいつが村に行けば……みんな死ぬ……!握りしめた拳に爪が食い込み、血が滲む。……絶対に、行かせない……!
その一歩を踏み出そうとした瞬間──父の声が、暴風を切り裂いて響いた。
「下がれ、レオ!」吹き荒れる嵐の中、父の影は揺るぎなく立っていた。刃を構え、燃えるような眼差しを龍に向ける。
「これは俺の戦いだ……父として……そして、かつてその魔獣を封じた男として!」第6頁
大地が震え、龍の足音が山々を揺らす。その巨大な翼が夜空を覆い、月明かりを奪った。咆哮は死の鐘のように響き渡り、谷全体を揺るがす。
父は深く息を吸い、砕けた封印の紅い輝きに照らされたククリ刀を握りしめた。そして、ほんのわずかに顔を振り返り、レオの瞳を見据える。
「聞け、レオ……」その声は、先ほどまでの緊迫感とは違い、不思議なほど穏やかで、嵐の中に吹く温かな風のようだった。「この先、何があっても……生きろ。いいな、生き延びるんだ。」
レオの喉が詰まり、言葉にならない。熱い涙が目に滲む。「父さん……やめて──!」
だが、もう迷っている時間はなかった。父は駆けだした。巨大な怪物に挑む影は、ひとりの戦士そのものだった。風が唸りを上げる中、父の体が宙を舞い、刃が稲光のように閃く。
「憤怒の龍よ──!」咆哮と共に、ククリ刀がその巨眼を目がけて振り下ろされた。
一瞬、世界が息を潜めたかのような静寂が訪れる。鋼と鱗がぶつかり、火花と衝撃が弾け飛ぶ。
そして……閃光がすべてを覆い尽くした。
レオは腕で目を覆い、耳をつんざく轟音に耐える。光が消えたとき、そこに父の姿はなかった──残されていたのは、龍の体に深く突き刺さったククリ刀だけ。
「グオオオオオオォォォォ!!!」龍は怒りに満ちた咆哮を上げ、山々を震わせる。灼熱の血が鱗を伝い、炎のように滴り落ちた。
レオは膝をつき、現実の重みが押し寄せる中で、かすれた声を漏らす。「父さん……」
龍はなおも翼を広げ、夜空を覆った──傷つきながらも、その力は絶望的に健在だった。
こうして、悲劇の幕は開いたのだ。
ページ7(日本語版)
「お前……名前は?」血の匂いがまだ漂う戦場で、俺はその男に問いかけた。
男は一瞬、無言で俺を見つめた後、冷たく笑った。「……カイト・ジン。それが俺の名だ。」
カイト・ジン――。その名前を、俺は決して忘れない。胸の奥で、煮えたぎるような怒りが燃え上がった。
俺は血で濡れた拳を強く握りしめ、震える声で誓う。「カイト・ジン……必ず、父の仇を討つ!この命をかけてでも!」
すると、カイトは肩をすくめて笑った。「復讐?面白いな……だがな、本当に俺を倒したいなら――」彼はゆっくりと俺に背を向け、振り返りながら言い放った。
「世界武道大会で俺を倒してみろ!そこが……お前の死に場所だ!」
その瞬間、俺の心に火がついた。父を奪ったこの男を倒すためなら、どんな地獄でも乗り越える――そう、世界最強の舞台で、俺は必ず勝つ!
第1巻 ― 第1章 ― ページ8
血に染まるような暁の空の下、レオは家へと戻ってきた。その足取りは重くも揺るぎなく、その手には父の遺したククリ刀が握られていた。刃はかすかに輝き、未だ戦いの記憶を宿しているかのようだった。
無言のまま、彼は家の奥にある祖霊を祀る小さな部屋へと足を運ぶ。そして、その刀を一族の最も大切な宝物が収められた最上段の棚にそっと置いた。震える指先が柄に触れたまま、しばし離れようとしない。
「……父さん。必ず、あなたの意思を継ぐ。」
包帯を頭に巻きつけると、彼は迷いなく山の方へと歩き出した。霧の中へと消える背中は、戻ることのない修練の道へと進んでいった――。

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一年後。
山々は、彼の拳の衝撃で揺れ動いていた。かつて貧弱だった身体は鋼のように鍛え上げられ、血管には力が奔流のごとく脈打つ。森の獣たちはもはや彼を狩ることはなかった。むしろ、王に跪く臣下のように周囲を巡り、静かに敬意を示していた。
崖の上では、一人の執事が黒いスーツ姿で彼を見つめていた。その瞳には、確かな誇りが宿っている。
そして――力があふれ出した。レオの身体から制御を超えたオーラが爆ぜ、光の糸のように彼を包み込む。炎の糸は天へと伸び、大気を突き抜け、地球の外へ――やがて多元宇宙にまで到達した。

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遥か彼方の宇宙で、天使たちがざわめいた。
光の翼が震え、神々しい存在たちが一斉に顔を上げる。
「……この気配は……? まさか……多元宇宙の王が、帰還するのか?」
別の天使が首を振った。「いや、完全ではない。これは未完成……不安定だ。だが……それでも、均衡を揺るがすには十分だ。」

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ドラゴンボールの宇宙。
ビルスの世界では、ウイスが足を止め、杖を光らせながら目を細めた。
「おやおや……これは面白い。細く、繊細な糸のような力……それでいて、悟空の身勝手の極意すらも凌駕している。」彼は小さく微笑んだ。「どうやら……多元宇宙の王の宮殿を再び整える時が来たようですね。」
その頃、大司祭は沈黙のまま目を細めていた。侍従たちがひざまずく中、彼は低く囁く。「……確かに、これはかすかなもの。しかし紛れもなく……王の血は、まだ生きている。」

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地球。
レオは片膝をつき、荒く息を吐いた。額から汗が滴り落ち、混乱した声を洩らす。
「……い、今のは……何だった……?」
背後から、執事が静かに歩み寄った。その声音は落ち着いていながら、どこか重みを帯びていた。
「若旦那……お伝えしていませんでしたが、あなたのお父上は三つの会社を遺されました。ですが、いま直ちに名義を移すことはできません。命令を下す権限はありますが……完全な所有者ではないのです。」
レオは奥歯を噛みしめ、苦笑を浮かべる。「ったく……あの頑固者。死んでまで俺に小言かよ。」
すると、心の奥底に冷たい声が響いた。父の記憶だ。「……俺はお前の父だ。少しは敬え、馬鹿息子。」
レオは皮肉な笑みを浮かべ、拳を握りしめた。
執事はネクタイを直しながら尋ねる。「修練はもう十分です。……これから、どうなさるおつもりで?」
レオは遥か地平を見据え、その瞳に決意の炎を宿した。
「……三つの大国を巡る。そこで予選が行われるんだ。勝ち残った者だけが……世界武道大会の本戦に出られる。」
執事は深々と頭を下げた。「御意。……ですがご留意ください。あなたが掌握しているのは、あくまで五割の権限のみ。命令はできますが……完全な支配者ではありません。」
レオは風に背を向け、歩き出した。「構わない。俺に金も、権力も、地位も要らない。欲しいのはただ一つ――力だ。必ず、この手で掴んでみせる。」
そして彼の旅路は始まった。最初の舞台――中国の予選大会へと。
Page 9オフィス No.9。部屋は静まり返り、レオは旅の準備をしていた。古びたカバンに荷物を詰め込むたびに、心の中では葛藤が渦巻いていた。
「父のククリ刀で戦おうと思っていたけど……父の戦い方は俺とは違う。あの人は“剣の型”。俺は“拳の型”。同じ武器を握っても、父のようには戦えない。」
カバンのベルトを強く締め、レオは空港へと向かった。飛行機が空を駆ける間も、思考は止まらなかった。
「確かに俺の中には“獅子(ライオン)”のビーストパワーが流れている。だけど――どうやって“龍”に勝てる?あいつは世界最強のビーストパワー“龍”を持つ。俺はただの“獅子”だ。本当に立ち向かえるのか……?」
エンジンの音が子守歌のように響き、いつしか眠りに落ちる。目を覚ました時、飛行機はすでに着陸していた。目的地――中国。
タラップを降りると同時に、やたらと元気な声が飛んできた。「観光客? ガイドいる?」……うるさいなんてもんじゃない。
その時、背の高い少年が現れた。鋭い目、自然と漂う自信。彼は軽く、だが誇らしげに名乗った。彼のビーストパワー――伝説の“中華龍”。
龍翔(リュウショウ):「おい、お前……ネパール出身か?まさか……大会に参加するために来たんじゃないだろうな?」
レオ:「……そうだ。それがどうした。」
龍翔:「なら証明してみろよ!」彼は拳を握り、挑戦的に笑った。
戦いは長くは続かなかった。互いに息を切らし、笑い合い、敵ではないと悟る。ライバル心は、いつしか友情の火種へと変わっていた。
そして、旅路は奇妙なリズムを刻み始める。
レオ:「お前、なんでいつも麺ばっか食ってるんだ?」
龍翔:「……さあな。自分でもよく分からねぇ。」
そうして、厳しい武人たちの道は、時にくだらない会話によって、確かな絆へと変わっていった。
Page 10 トレーニングホールには、かすかに汗と鉄の匂いが漂っていた。レオが中に入ると、彼の友人が楽しそうにおしゃべりをしながらついてきた。
「ねぇ、レオ!本当にこの無茶な旅に出るの?最初は韓国、次は日本、最後はネパールで決勝戦?」友人は興奮で跳ねるように話す。
「そうだ。」レオはグローブを締め直しながら答えた。「まずはみんなの実力を見て、決勝に備えるんだ。」
友人は大げさに息をのむ。「一週間の大会だって?一週間で?無理じゃないの?大丈夫?」
レオはにやりと笑った。「大丈夫だ。さあ、ジムに行こう。」
ジムの中では、挑戦がすでに用意されていた。一角には巨大な重り、別の角にはパンチ力を測るためのダミーが置かれている。大きなスクリーンには現在の挑戦内容が映し出され、ひとつの数字が光っていた:1,000,000元のチャレンジ賞金。
「さて、誰が一番強いパンチを出せるか見てみよう。」レオはつぶやきながらダミーを打つ。その衝撃で床が少し揺れた。
友人は笑いながら、自分よりはるかに重いダンベルを持ち上げる。「ふっ!これが重いと思うか?見てろよ!」必死に持ち上げようとするが、首の血管が浮き出るほど力んでいて、どこかコミカルだった。
二人は熱心に、笑いながら、競い合いながらトレーニングを続けた。友好的なライバル心は明白だが、その奥には確かな決意の火が宿っていた。
外では、大会のゲートに群衆が集まっていた。中国中から選手たちが集まり、真剣な者もいれば、遊び心のある者もいる。全員が自分の実力を証明しようと意気込んでいた。
レオは龍翔(リュウショウ)に目をやる。彼は数分前に到着し、自信に満ちた笑みを浮かべていた。この瞬間から、二人の旅は限界を超える挑戦へと歩み始める――。Page 11 レオは額の汗を拭いながら、ぼそりとつぶやいた。「はあ…なんでこの大会、こんなに無理ゲーに感じるんだ…」
すると、まるで彼に直接答えるかのように、声が聞こえた。
「だって、レオ。俺がこの物語の作家だからな。正直…どうやって他の作家たちが自分のキャラを扱っているのか、全く分からんよ。」
レオは瞬きしながら、声に向かって言った。「…え?お前、俺に話しかけてるの?」
「そうだよ、そう。変に聞こえるのは分かってる。でも、俺はここで見守っているんだ。導いている…そして正直言うと、この大会では少しは手加減してほしい。お願いだ、もう一度派手すぎる戦いで俺の精神が壊れないようにしてくれ。」
レオは腕を組み、にやりと笑った。「つまり…俺がこんなに汗かいてるのは、お前のせいってことか?」
声はくすくす笑いながら答えた。「まあ、厳密に言えばそうだな。でも安心しろ。二人がジムを完全に破壊しなければ、俺は生き残れるさ。」
レオは頭を振って笑った。「わかったわかった…でも、もし怪我したら、大会だけのせいにしないからな。」
「約束だ。」声はどこからともなく、ドラマティックなため息を伴って響いた。
その瞬間、緊張感は少し和らいだ。レオは、不思議と安心感を覚えた。見えない手が、自分を見守ってくれているのだと感じながら――。

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