転送陣の光に包まれ、突然提瓦トの世界に降り立った「僕」。そこで出会ったのは、珊瑚宮心海──ゲームの中でしか見たことがなかった、癒しと知性の象徴。
だが、その夜の潮風と月明かりは、二人の理性を静かに奪っていく。これは本来、交わるはずのない出会い。けれど、柔らかな肌の温もり、混ざり合う吐息、指先の迷い。そのすべてが禁忌の夜を作り上げていく。
「今夜のこと……これは、私たちだけの秘密にしてくれる?」
提瓦トの海辺で始まる、一度きりのはずの密やかな逢瀬。けれどその余韻は、決して消えることはなかった──。